財産 −10年経って−

去年の冬、

雪の夜にアパートの火災報知器が鳴って(誤作動)

外に飛び出した時、

手に持っていたのは財布とケータイ、

18冊のノート。

＊

10年前、11歳の今日、俺は

サッカーノートをつけ始めた。

GKのプレーのことや練習や試合に向けて、

その反省を綴るものから

冊数が増えるにつれて感情の部分について書くことが増えていった。

今はその頃の「サッカーノート」からは

かなり姿を変えたものになった。

俺にとってサッカーとは何か？

それを写す鏡のような存在。

今はその日の感じたことを残す日記。

本質として変わらないのは、

誰に見せる訳でもなく、

自分とその人生に向き合う孤独で自由な時間。

その軌跡。

あの葛藤の中で何を感じ、どう乗り越えたか。

誰が側にいてくれたか。

全部残ってる。

何にも代え難いかけがえのない財産。

Football は俺にとって自分そのもの。

人生そのもの。 

成せたものが多くないのが事実。

今、10年前の最初のページから

「サッカーに純粋な情熱は足りてるか？」

そう問われているような気がする。

今日の俺は10年後の俺に何を伝えるのか。

その時、きっとグローブは脱いでる。

それでも、

いつだって

自分を満たしてくれるもの

人生を豊かにしてくれるのは

こんな存在。

ちゃんと築けているか。

People called football,  ＂Beautiful game ＂.

W杯のせいだ…

                                                        2018.6.20