Shuya Okazaki / Blog✔︎

1997年 岡山県 岡山市生まれ___ | I trust my process /Okayama/Niigata/Tokyo&Kamakura✓

よー、そこの若いの

 

 

 

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 人生初のライブ

「何や、このおっさん…。

          この歌…クセ強すぎるやろ…(笑)」

 

数年前になると思う。

始めて聴いたとき、正直そう思った。

だけど聴いていく内に、

思わず笑えるくらい共感できる詞と

分かりやすく半端じゃない熱量に惹き込まれていった。

 

とにかく一度、生で聴いてみたかった。

そして従姉妹の結婚式による地元への帰省がてら

人生初となるライブに行ってきた。

 

 ◆目次

 

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伝えようとしているというより…

竹原ピストル

日本全国弾き語りツアー岡山公演。

倉敷芸文館の大きなホールは満員だった。

真っ暗のホールの壇上には

マイクとギターとハーモニカだけが置かれていて、

そこにぽつんとスポットライトが当たっている。

運良く取れた席は1階2列目の20番。

ほぼ最前列のど真ん中。

すぐ目の前にいた。

"これぞ魂の叫び"といった歌声とは対照的に

穏やかなトークで常に会場を和ませる。

度々拍手が起こる。

 だけど、歌い始める瞬間、目つきが変わる。

歌い始める時、会場の空気を変える。

一度だけその瞬間に

「ここだっ。」と小さく呟いてギターを鳴らし始めた。

まるで会場の空気が見えるかのようだった。

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だけど会場の空気を見ているのではなかった。

 

そう感じたのは曲の終わる瞬間。

ギターの音を切る時。

肩をすくめて、膝を曲げながら、

必ず同じ場所を見つめている。

それがどこかは分からない。

ギターのヘッドかその奥の方をそっと見つめながら、

そっと音を切る。

毎回必ず。

 そうやって

穏やかな空気感を切るような歌い出しと

毎回決まった歌い終わりが繰り返される。

そして俺が心を動かされたのは、

まさしくその間にあるものだった。

一言で言うと「曲」なんだけど、

「声」であり、「言葉」でもある。

それは腹に響く言葉だった。

 マイクか譜面の方を向いているんだろうけど

何せがっつり正面手前に座ってるから

目が合っているようにさえ思えた。

こんな感じで…

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何かを伝えようとしている…

というより、

 

死に物狂いで表現している

 

きっと俺はその「姿」に心動かされていた。

………

「表現」と「一致」

 何をどう伝えるかは大切。

伝え方にはたくさんのスキルがある。

 例えば初めに聴衆や相手が

「はい。」と答える質問を繰り返すことで

相手が話を納得し易くすることを

「イエスセット」っていうらしい。

これ自体、何ら悪いことじゃない。

だけど決して伝えるための本質ではないと思う。

相手が自分を前にした時、

 自分が相手にどんな「姿」に映っているか。

 人に何かを伝えたい。

(というより伝えなければならない…)

その相手は

チームメイトか…

初対面の人か…

一対一か…

大勢を前にしてか…

ミーティングの場か…

座談やほんの一瞬の挨拶か…

何れにせよ相手に映る自分の姿は自分じゃ選べない。

ただ、人に映る自分の姿を創っているのは他でもなく自分。

"何かを伝える"のではない。

"表現"する。

それは、

自分が思っていること、

自分の行動

自分の言葉

こいつらを一致させるということ。

 スポーツでいう

「心技体」

: 心と技術と身体をそれぞれ磨くこと。

➡︎価値観言葉(話し方)行動それぞれ磨く。

ではなくて

「気剣体」

: 剣道用語で心と剣と体(姿勢)が全て揃った時にだけその突きは有効となること。

➡︎価値観言葉(話し方)行動一致させる。

何かを伝えるためにはこれこそが大切で

「何を?」に良い悪いも正解も間違いもない。

それは受け取る人が決めることだから。

 俺がこうやって文字に起こすこともこの一致のため。

要は、思ってること、言ってること、やってることが同じかどうか。

それは自分のためでもあり、人に伝わることに繋がる

それが一瞬か、または最後になのかは分からないけど、

自分が分かっていれば良い。

それを信じてやれば良い。

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鳴り止まないアンコールの後…

「皆さんどうか分からないですけど…(笑)

僕、明日明後日休みなんでもうちょい歌わせてくださいぃ!!」

会場はどっと湧いた。

その後数曲歌い上げライブは終わった。

「ありがとうございました‼︎」

「おかげさまで…」

と繰り返し、何度も頭を下げながらステージの奥に去っていった。

俺は一人、

湧き上がる胸の熱さを

グッと握った真っ赤な財布に吸わせた。

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本当に凄い人が何かを話す時、

実にシンプルな言葉しか使わない。

そして絶妙な 例え を使う。

どんなに難しくて複雑なことでも

それで十分伝わる。

 それは信じているもの、言葉、行動が一致していて、

絶妙な例えができるのは、

それだけの場数を踏んできたから。

 

…俺は本当にまだまだだ。

 

日本のミュージックシーンのてっぺん!を目指し、

これでもか!ってくらいの魂や想いを乗っけて、

全国を駆けずり回って歌う。

 

それが竹原ピストル

 

ここの若いのにはバチっと伝わりましたよ。

 

どうしても残しておきたい最高の時間だった。

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                                                    2018年 11月